訪問介護への転職または訪問介護から別の職場に転職しようとしている介護士の方々が転職に失敗しないように、介護歴10年と経験豊富な現役介護士である「スヌーピー好き介護福祉士」さんにご自身の経験から訪問介護の仕事内容、訪問介護の仕事を辞めた理由、訪問介護の仕事に向いている人について伺いました。
訪問介護の仕事内容とは
訪問介護の特徴として、要支援1〜2、要介護1〜5のご自宅で過ごされている高齢者また障害支援区分1〜6の18歳以上の認定を受けた障害者か18歳未満の障害者のお宅に訪問して、介護保険に適用している身体介助と生活援助が主な仕事です。他ゴミ捨て、調理、通院介助など、利用者ごとに支援を行います。
身体介助が少ない利用者様が多いです。生活援助と身体介助の具体的な内容は以下になります。
生活援助
掃除、洗濯、調理、買い物、薬の受け取りなどの利用者が行えない日常で必要な家事を行います。
身体介助
入浴介助、食事介助、更衣介助、移動・移乗介助、整容介助など利用者様が行えない生活支援を行います。
訪問介護の他介護サービスとの違い
- ご自宅で過ごされている利用者のお宅に訪問するため、自転車などを使って移動することが多い
- 多くの場合、居宅介護支援事業所が事務所となり、ケアマネジャーまたサ責と連携し、サービスの提供を行う
- ケアマネジャーによって決められた時間の中でサービスを提供する
- 訪問介護は基本、日中帯の仕事のみ
- 一部訪問介護には、夜間対応型訪問介護(18時〜6時までの夜間の見守りをします)と定期巡回・随時対応型訪問介護看護(24時間体制の定期巡回と連絡を受けた時で仕事します)があり変則的な時間勤務を行うものもあります
- 生活援助従事者研修を修了などの介護資格を取得する必要がある
- 障害者と高齢者のみが訪問介護の対象になる
- 訪問介護を提供している施設は、住宅型有料老人ホーム、サ高住(サービス付き高齢者住宅)
- スタッフと入居者の一人一人と向き合った介護である
「施設での働き方に不満を感じている」「一対一で向き合った介護をしたい」と考えている人にとって訪問介護はおすすめです。
訪問介護での1日の仕事スケジュール
訪問介護は8時〜19時と言った時間の中で8時間の勤務を行うところが多いです。
訪問介護の1日の仕事スケジュール
8時30分~8時45分:移動
8時45分~10時:Aさんのお宅で身体介助+生活援助
10時~10時15分:移動
10時15分~11時45分:Bさんのお宅で通院等乗降介助
11時45分~12時:帰社
12時~13時:休憩・昼食
13時~13時10分:移動
13時10分~14時10分:Cさんのお宅で身体介助を提供
14時10分~14時20分:移動
14時20分~15時20分:Dさんのお宅で身体介助+生活援助
15時20分~15時40分:移動
15時40分~16時10分:Eさんのお宅で身体介助
16時10分~16時30分:帰社
16時30分~17時:介護記録、引き継ぎ、明日の準備をして退勤
上記のように1件30分〜1時間ほどの訪問が1日5〜6件ほどこなすことが多いです。サ高住また住宅型有料老人ホームと言った施設での訪問介護であれば移動時間が5分ほどですむので、通常よりも1〜2件多く訪問介護が入ります。
利用者様の体調不良、利用者様が外出するなどあるとキャンセルされることもあり、仕事がなくなってしまい、担当じゃなかった人の訪問予定を組まれることもあります。また職員の体調不良があると大幅に訪問予定が変わる可能性もあります。
訪問介護では決まった時間でサービスを提供しないといけないため、移動時間や訪問介護時間をうまくやりくりすることが重要です。訪問スケジュール管理ができる事が訪問介護では必須条件と言えます。
訪問介護の仕事を辞めた理由
訪問介護の仕事を辞めた理由は下記4点です。もちろん人によって感じ方やキャリアの考え方は変わりますのであくまで参考までに。
- 利用者さんとスタッフの1対1でサービスを行うため、他スタッフのことを気にすることはなくなる
- 施設よりも利用者さんと関わる時間が多くとりやすい
というメリットの反面、身体介助や生活援助など1人で行うことが負担と思う場面があります。
- 利用者さんの急な提案や相談される事があり、対応しないといけないこともある
- 利用者さんがサービスを拒否されること
- 訪問した時に急変していた
- サービスの提供している時に転倒してしまった
など予測されないことに対応しないといけないこともあります。施設の方がまだ看護士や他スタッフなどの助けがあり、精神的・体力的負担が少ないかもしれないと考えたからです。
移動時間と訪問スケジュールをうまく回せるとも限りません。介護保険の関係上、ギリギリの時間で設定している事もあります。
慣れたら困ることは少ないのですが、いかにどのようにしたら早くできるのかを考えながら仕事をすることが訪問介護のコツかもしれません。
居宅介護支援事業所で働いていると
- 自宅にいる人のお宅に行き、家にある道具で訪問介護をします
- 自宅で決まっているルールに合わせたサービスを提供
- 介護保険で適用した人を生活支援しているため、掃除は介護保険内で決まっている範囲で行う必要がある
例えば利用者さんのいる居室の範囲の掃除は大丈夫あるが、家族と共用で使っているキッチン、トイレ、浴室は原則掃除できないこと。大掃除で動かすような物(タンスなどの大きなもの)は動かすことが対象外、大掃除で掃除するもの(窓・庭)は対象外など掃除には沢山の決まりがあります。
介護保険制度のことを熟知しないと訪問介護でミスしてしまうこともあり得ます。お宅の数だけ、細かなところを覚える必要があり、細かな性格で神経質な人の方が訪問介護は向いています。
訪問介護員の一言、行動次第で利用者様の印象は良くも悪くもできます。印象次第でサービスの打ち切りやこの人は来ないでほしいと言われ、担当の変更される事もあり得ます。最低限の接遇・マナーは重要であることを理解し、適切なサービスを徹底することを訪問介護員に求められています。
- 細かな部分に気を遣う几帳面さ
- サービスの的確さ
- 接遇・マナーを守る
- 緻密な訪問スケジュールの管理
これらが苦手と感じ、他施設で勤務しようと考えました。
訪問介護の仕事に向いている人
訪問介護の仕事に向いている人・活躍できる人のポイントは下記4点です。
利用者さんと1対1である為、身体介助と生活援助は訪問介護員の力が全てと言ってもいいでしょう。
- 頼まれたサービス内容を手際よくこなすこと
- 細かな変化に気づけること
が求められるからです。ある程度の介護経験がある方が苦労は少ないかもしれません。
訪問時間を守れるかが利用者様の印象を左右される事があります。時間が遅れたら次の訪問先の影響がでます。
そのため仕事の時間と移動時間を含め、余裕を持った勤務をする事が必要です。移動時間と訪問スケジュールの管理能力を求められます。
- 利用者さんの一人一人の特徴、サービスに必要な道具はどこにあるかなどを把握する
- 介護保険制度をしっかり把握する
ことは仕事をする上で必要なことです。迷う事があればサ責に連絡することはできますが、ある程度把握してないと仕事で困る場面がでてきます。
入浴道具はどこにあるか知らなければ入浴介助ができません。掃除はどこまでしてほしいか、共有部分がどこか知らないと掃除してはいけないところを掃除してしまうかもしれません。
- 介護保険制度を使って仕事に来ていること
- 利用者様のお宅が仕事場であること
を理解し、仕事する人が向いていると言えます。
利用者さんと1対1で対応する為、ある程度の接遇・マナーができる人の方が利用者さんに受けはよいからです。接遇・マナーができてないと利用者様がサ責に担当に外してくださいとかもあり得ます。
一つ一つの行動が利用者さんは見ており、評価しているので好印象に残る行動は何かを理解し、仕事できることは必要と言ってもいいかもしれません。たくさんの利用者様を1対1で相手しますので、誰に対しても人当たりの良くできる人が向いていると言ってもいいでしょう。
さいごに
介護施設・職場ごとに行う介護の仕事は違いますし、それぞれのやりがいも違いますのでこちらの記事に細かくまとめております。参考にご覧になってください。
またもしどういったサイトに登録すればよいかわからないということであれば介護転職サイトを解説した記事もございますのでこちらを参考になさってください。
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